2000年5月、郷土を愛する酒販店の仲間が、「千葉発日本一の美酒を目指して!」を合い言葉に千葉県酒おこしネットワーク「友醸会」を結成しました。私たちは千葉から全国に誇れる地酒をプロデュースしていきます。私たちの活動を応援してください。
友醸会ロゴマークタイトル:ちばの酒応援団
■メニュー
●TOP 
●友醸会とは 
●遊我月酔 
●イベント 
●今月のコラム 
●会員店の紹介 
●マスコミ報道 
●蔵元紹介 
●掲示板
寺田本家(神崎町)
寺田啓佐社長
■寺田本家のご紹介
下記の文章は、友醸会発行のメールマガジン「千葉発日本一の美酒をめざして」
の人気コーナー「千葉の酒蔵」紹介から転載しております。

今回は香取郡神崎町で自然酒造りに情熱を燃やす、「五人娘」醸造 元、(株)寺田本家さんです。 皆さん「五人娘」というお酒を知っていますか。 「五人娘」のボトルの首にかけられているメッセージを開けると、 「試してみて美味しかったら自然の味だからです」と書いてありま す。おや!と思うでしょうね。 では「五人娘物語」の始まり始まり〜。 寺田本家は代々女系で、社長の寺田啓佐氏はお婿さんである。 今から17年前、寺田本家に婿入りした啓佐氏は、日本酒とは全く 別の世界から酒蔵に入りその現状を目の前にして唖然とする。 10本に2、3本サービスを付けなければ売れない酒の業界で、大 手の酒蔵に負けじとサービスを増やせば益々利益は出なくなり、そ れを無理に続ければ必然的に酒質も落とさざるをえない。またその 頃体調を崩してしばらく療養生活を送って送っていた啓佐氏は、家 業としての造り酒屋の将来を真剣に考えた。 そこで自分が出した結論は、「日本酒は昔から百薬の長と言われて いるならば、本当に飲む人の健康に役立つ酒、本物の自然酒を造ろ う」と決意、病状が回復し現場に戻りその思いを家族や蔵人に伝え た。 簡単に全量無農薬米といっても、全量無農薬米を仕入れれば米代が 約3倍に跳ね上がる。 そんなお米を使って出来た高い酒を買ってくれる人がいるだろうか。 蔵人全員が反対した。 しかし啓佐氏の決心は揺るがず、1年だけでもいいからやらせてく れとみんなを説得した。 寺田本家はこの啓佐氏の決意に、造り酒屋としての存続をかけるこ とになる。 こうして寺田本家の自然酒造りの挑戦が始まった。 まず三増酒を全廃し、全量無農薬のお米を使った自然酒造りを開始 した。  ----------------------------------------------------------  三増酒とは、出来上がったお酒の醪(もろみ)に醸造アルコール  または糖類その他の添加物を加え、本来のお米だけの酒から約3  倍の量を造りコストを抑えた酒  ---------------------------------------------------------- そして多くの困難を乗り越え、啓佐氏が情熱を注ぎ込んだ酒、純米 自然酒「五人娘」が誕生。 1年だけでも、という思いで醸された「五人娘」の噂は数年で全国 に広がり、千葉に全量無農薬米で造ったいい酒があるらしいと口コ ミで伝わり、こだわりの酒を探している銘酒販売店から注文が入り 始めた。 こうして自然酒「五人娘」は自分の力でしっかりと販路をつかんで いった。 現在且專c本家の製造石数は年間約800石(1石は1升瓶100 本)、「五人娘」が60%、無添加「香取」が40%、しかも全量 生モト仕込(きもとじこみ)である。 生モト仕込とは、お酒を造る最初の段階で、天然の乳酸を育成し て酒母(しゅぼ)を仕込む江戸時代からの伝統的な製法である。 同じく生もと系で山廃(やまはい)仕込みという製法もある。正式 には山卸廃止もと(やまおろしはいしもと)を使った伝統的仕込み 方法のこと。3年前までは寺田本家でも全量山廃仕込であった。 一昨年から山卸を行い全量生モト仕込となる。 この山卸とは櫂(かい)と呼ばれる木製の竿で、半切り桶の中の蒸 米を混ぜてかき回すもと摺り(もとすり)という作業の事で、この 山卸を廃止しあらかじめ麹と水をまぜて酵素を溶かしたところに、 蒸米を入れて仕込む方法で生モト仕込と同じように力強い酒ができ る。 ちなみに現在の酒母造りの多くは「速醸もと」といわれる、酒母を 仕込む時に人工的に乳酸を添加する方法で、ほとんどのお酒はこの 「速醸もと」で造られている。 酒は嗜好品でどちらの仕込みの酒が旨いということではない。お酒 のラベルに生もとや山廃と書いてあれば芳醇で味わいの深い酒が多 いのは間違いないだろう。 また寺田本家では仕込み水に備長炭や電子の力を利用した小分子水 を使う。この水はきめ細かくまろやかで、体にもとても良いと言う。 他にも蔵内の約20ヶ所に備長炭を埋め込み、微生物に居心地の良 い場所を作り、その結果として良い酒の発酵も始まるという。 蔵の奥には大きな部屋があり、出来た酒をタンクごと低温貯蔵する 空調設備も完備している。 出来た酒のほとんどは生で貯蔵され、火入れ(熱処理)は1回のみ で、自然の味を大切にしている。 寺田本家の酒造りは品評会で賞をとる為の酒とは決別し、健康な米 から出来る米の旨みが広がる酒本来の味わいを目指している。 ゆえに吟醸酒といえど果実のようなフルーティな酒は見当たらない。 おそらくはじめてこの「五人娘」を飲んだ人は、そのしっかりした 酸に裏づけられた濃醇な味わいに驚くだろう。さらりと喉元を通り すぎる淡麗な酒とは一線を画している。 しかしこの素朴な旨みこそ自然酒五人娘たる味わいであろう。 五人娘のこのしっかりとした旨みを味わうなら常温がいいだろう。 個人的な印象だが冷やしすぎると特有の旨みが現れず、渋味みのよ うな感触しか出てこないと感じた。 保管は冷蔵庫が良いが、飲む時は少し酒の温度が上がってくるのを 待ってから味わうのが良いだろう。 寺田啓佐社長の確固たる信念をもった情熱的な語り口は聞く人を圧 倒する。 哲学者のようなその口調の中に、人間としての大きさと優しさを感 じる。 百薬の長としての使命を果たす酒を造り、嗜好品と健康が一つの次 元で語れる、楽しくて、美味しくて、元気になれるお酒。今後も寺 田本家から目が離せない。 おすすめの銘柄は          五人娘純米酒  720ml ¥1,165                 1800ml ¥2,330        五人娘純米吟醸酒  720ml ¥1,550                 1800ml ¥3,110 生タイプが好きな人は       五人娘純米蔵出し生原酒  720ml ¥1,550 

Copyright(c)2002. Yujokai All Right Reserved.